米国国内の鉄道網は、20世紀までに大陸横断鉄道…
米国国内の鉄道網は、20世紀までに大陸横断鉄道をはじめほぼ完成した。ところが、この10年ほど経済効果と省エネ対策のため、高速化と鉄道網の新たな整備を進める機運が出ている。
その実現に一歩踏み出したのが、米南部テキサス州のダラス-ヒューストン間を結ぶ高速鉄道計画。2018年3月着工、22年開業を目指すが、開発主体の地元企業を技術面で支援するため、JR東海は今年5月、ダラスに現地法人を設立した。
既に技術者を中心とする社員17人が日本から出向。ここで東海道・山陽新幹線の「のぞみ」に使っているN700系がベースの車両を最高時速200マイル(約322㌔)超で走らせ、ダラス-ヒューストン間を1時間半弱で結ぶことを目指す。
鉄道は英国が発祥だが、日本でも1872年、新橋-横浜間に蒸気機関車が走った。以後は漸次発展し、エポックを画したのは1964年の東海道新幹線開業。
車両や軌道設備などに最新技術を駆使し、乗り心地や安全面でも世界的に非常に高い水準に達した。新幹線運行で培ったノウハウが欧米の鉄道に提供され支えるまでになった。
戦後、米国から原子力発電の技術が入ったが、軽水炉技術では米国をしのぐようになった。米国のロケット技術にはまだ追い付かないが、いずれ……という気概は、日本人の内にあると思う。「技術立国」の威信と自信を失っては日本は立ち行かない。