1年のニュースを振り返り、日本の今年を…
1年のニュースを振り返り、日本の今年を総括する師走半ばである。今年は気象・自然災害が列島を揺るがせた。4月14日に熊本県で観測した震度7の地震(マグニチュード=M6・3)は実は「前震」。
本震は翌々16日に襲った震度7(M7・3)だという前代未聞の連続地震である。震源地の益城町をはじめ熊本、大分両県にまたがる被害は、直接の死者だけで50人。熊本城も壊滅的打撃を受け、生活復興への道のりは年越しである。
幸い大被害は免れたが、10月に鳥取で震度6(M6・6)、11月には津波が押し寄せ緊張した福島沖の震度5弱(M7・4)地震など多発した。阿蘇山中岳(10月)や桜島など火山噴火も相次いだ。台風も多発し、特に8月末の10号の記録的大雨では岩手県と北海道で22人もの死者、5人の行方不明者を出した。
日本は今も東日本大震災からの復興半ばだが、あの厳しい試練をくぐってきた。ここは辛(つら)い経験を生かし、列島に生きる者の宿命である気象災害などへの備えを怠らないよう構えるしかない。
列島の8月を熱狂させたリオデジャネイロ五輪の日本人選手の大健闘(史上最多メダル41個)など明るいニュースにも包まれた。イチロー選手の日米通算最多安打(6月)や大リーグ3000安打超え。
東工大・大隅良典栄誉教授のノーベル医学生理学賞受賞、理研の113番新元素「ニホニウム」命名、北海道新幹線の開業などである。