加藤 隆
量子力学が変えた科学的常識
名寄市立大学教授 加藤 隆 自然界や人の本質は波動 原意識の呼びかけで物質化 15年ほど前のことだが、教育関係者の会合の中で、私が魂の大切さに触れた時に、ある大学の教員から、なに宗教じみた主張をしているのか、魂などとい…
西郷隆盛の生きざまに学ぶ
名寄市立大学教授 加藤 隆 新渡戸・内村が称賛・心酔 勇気と品性教えた薩摩教育 明治のキリスト教徒として国内外に知られた新渡戸稲造と内村鑑三が、期せずして同一人物を第一級の日本人だと称賛してやまなかったのは興味深いこと…
少産多死社会を迎える日本
名寄市立大学教授 加藤 隆 多層的死生観の回復を 「生きる力の育成」が可能に 多面的なデータの分析によって、これからの社会の在りようが予測できる時代になった。たとえば、国立人口問題研究所の統計によると、日本の出生数は1…
幕末に見る「触媒」の重要性
名寄市立大学教授 加藤 隆 蘭人教師に感銘受けた勝 勝との邂逅で龍馬の人間変容 勝海舟はわが国で最初に讃美歌訳をした人物であることをご存じだろうか。「ローフ・デン・ヘール」(主を誉(ほ)めよの意)というオランダ語讃美歌…
新島襄と高山右近の生き様
名寄市立大学教授 加藤 隆 死を賭して海外へ出航 命より価値あるもの見いだす 幕末の鎖国令下にあって日本を密出航した人物がいる。新島襄である。また、それより前の江戸時代が緒に就いたころ、日本から国外追放された人物がいる…
「信じること」に満ちた現代
名寄市立大学教授 加藤 隆 作った人を信用し食事 科学的知見も信頼が根底に 現代は不信の時代だと言われる。ひところまでの日本ならば、隣近所の大人が地域の子どもたちを叱ったり声掛けしたりすることが日常光景だったが、昨今の…
前近代の教育が教えること
名寄市立大学教授 加藤 隆 正しい姿勢と素読重視 「分け隔て」をせず共に学ぶ 近代国家を目指して日本が邁進(まいしん)していた明治の終わり頃、期せずして、内村鑑三と新渡戸稲造は教育に関して同じ警鐘を発している。 「近…
リアリズムより重要なこと、人に希望や楽観は必要
名寄市立大学教授 加藤 隆 現実に向き合う自身を問え ある雑誌に司馬遼太郎の文章を引用して、日本社会の持つ危うさを論じているコラムがあった。中身はこうである。 「作家の司馬遼太郎は、リアリズム(現実主義)という言葉を…
科学の波に抗った女性学者
名寄市立大学教授 加藤 隆 生命は身体だけに非ず 生物学者、医師が60年代に 1960年代は地球規模の経済発展に沸いていた時代である。アメリカの好景気とヨーロッパの経済統合の進展、戦後復興を遂げた日本経済も急速に拡大し…
ヒューマニズムの光と闇
名寄市立大学 加藤 隆 正義感から起こる惨劇 危うい自己神格化や特別化 ヒューマニズム。我々日本人の耳に心地よい響きがある。「人間主義」「人道主義」などと訳される。大多数の国民が「無宗教」と自己を規定する国柄であれば、…
時代を開く「愚か者」であれ
名寄市立大学教授 加藤 隆 自他混然の愛に生命力 分別知溢れ「意地悪」な現代 スティーブ・ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチは、最後に「Stay hungry, stay foolish」…
戦後70年の問題は明治から
名寄市立大学教授 加藤 隆 功利に走った150年 性悪説的人間観の再評価を 戦後70年ということが至るところで取り上げられ、メディアでもいろいろな特集が組まれている。以前、ひめゆり学徒の手記を読んだことがあるが、潜んで…
浦上キリシタンの告白150年
名寄市立大学教授 加藤 隆 仙右衛門が問うたもの 生活に霊魂の平安の視点を 今年はキリシタンの歴史の大きな節目に当たる。禁教下の幕末にあって、フランス人のために建てられた長崎大浦天主堂に浦上の隠れキリシタンたちが密かに…
医療観に「いのちの物語性」
名寄市立大学教授 加藤 隆 人の願いや納得に価値 生物的な人間理解から転換 半年ほど前のことだが、とても印象深い映画を観た。胎内記憶を持つ子どもたちを丁寧に取材してドキュメンタリー風にまとめた「かみさまとのやくそく ―…
物で解決しない子供の貧困
名寄市立大学教授 加藤 隆 個人主義で未熟な親に 質素な幸せ見た戦前外国人 「こどもの日」の5月5日が過ぎたが、明るい響きとは裏腹に、子どもの貧困が日本社会に広がっている。世間では株価2万円、春闘ベア最高水準の新聞見出…
大賀ハスに学ぶ教育と歴史
名寄市立大学教授 加藤 隆 啐啄同時の環境が必要 暗記より根拠からの出発を 大賀ハスと呼ばれるハスの花がある。千葉市検見川にある縄文時代の落合遺跡で昭和26年に発掘された古代ハスのことである。発掘当時、翌日で打ち切りと…
「息を引き取る」なにがしか
名寄市立大学教授 加藤 隆 死と生の背後の精神性 人間を壮大な視点で捉えよ 「息を引き取る」という言葉がある。人が亡くなる際によく使われる言い方だが、考えてみると不思議で意味深い日本語ではないだろうか。このことの背景に…