アマゾン熱帯雨林保護で協定に署名


関係7カ国が会議

 南米のアマゾン熱帯雨林で記録的な森林火災が広がっている問題で、ブラジルやボリビアなどアマゾンに関係する南米7カ国の首脳級会議が6日、コロンビア南部のレティシアで開かれた。

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先住民族と共にアマゾン対策会議に挑む南米首脳たち(コロンビア大統領府提供)

 コロンビアのドゥケ大統領が議長を務めた会議は、レティシア市郊外にある先住民居住区で行われた。先住民たち代表らが会合を見守る中、首脳たちはアマゾン熱帯雨林の保護に向けて合意、「レティシア・アマゾン協定」に署名した。

 合意内容には、アマゾン地域の監視能力強化や違法伐採を防ぐための情報交換、森林再生に向けた取り組みに加え、アマゾン保護に先住民の参加を求めることなどが盛り込まれた。

 会議に先立ち、ドゥケ大統領は、「私たちは事態の深刻さと緊急性を理解している、貴重なアマゾンを守るために共に働いてほしい」と呼び掛けた。

 アマゾン熱帯雨林の60%近くを有するブラジルのボルソナロ大統領は、テレビ会議システムを通じて会合に参加、アマゾン関係国らと協定を結ぶことには合意したが、欧州による過剰な干渉には反発、「アマゾンの主権を渡すわけにはいかない」など、ボルソナロ大統領に批判的なフランスのマクロン大統領などを念頭に置いた発言を行った。

 ブラジルのアマゾンでは前年比で2倍近い森林火災が発生、森林破壊も記録的なスピードで拡大しており、開発派のボルソナロ大統領の政策が原因になっていると、欧州各国や環境保護団体などから批判が相次いでいる。

(サンパウロ綾村悟)