米独立記念日 トランプ氏、軍の貢献称える


「現在の米国は最強だ」

 トランプ米大統領は独立記念日の4日、首都ワシントンのリンカーン記念堂前で演説し、「この国を最も優れた国にしたのは、卓越性と冒険、勇気と自信、忠誠心と愛情だ」と主張。建国以来の軍の貢献を称(たた)え、「現在、米国は最強だ」と強調した。

トランプ大統領

4日、米ワシントンのリンカーン記念堂前で演説を行うトランプ大統領(山崎洋介撮影)

 会場には、軍楽隊による演奏が行われたほか、M1エイブラムス戦車も展示。ステルス戦闘機やB2爆撃機、海軍のアクロバット飛行隊「ブルーエンジェルス」などが上空を儀礼飛行し、会場から「USA」コールがたびたび沸き起こった。

 トランプ氏は「米国への敬礼」と題した演説で、初代大統領ジョージ・ワシントンが率いて戦った独立戦争に触れ、「243年前と同じように、米国の自由はそれを守る意思のある男女の肩に懸かっている」と主張。「われわれが大義に忠実であり続け、より良い未来のために戦うのを止めない限り、米国ができないことは何もないだろう」と力説した。

 トランプ氏は選挙集会のような野党・民主党への批判は避け、「(建国時のように)われわれは一致した目的を掲げ、前進すべきだ」と強調。キング牧師による公民権運動や婦人参政権獲得の歴史にも言及した。また、アポロ11号の月面着陸から50年になることを踏まえ、「われわれは火星に米国の国旗を立てるつもりだ」と決意を語った。

 トランプ氏は一昨年、フランスを訪問した際、視察した軍事パレードに感銘を受け、その後ワシントンでのパレード開催を検討したが、高額な費用がかかることなどから実現しなかった。その代わり、今回の独立記念日に合わせ、軍事的な式典を開催したとみられている。独立記念日に米大統領が演説するのは異例のことだ。一方、民主党は、共和党全国委員会が党の支援者を特等席に招いたことなどから、独立記念日を政治利用したと批判した。

(ワシントン 山崎洋介)