米ブラジル外相が会談、ベネズエラ問題など協議
ブラジルのアラウジョ外相は2日、同国を訪問している米国のポンペオ国務長官と首都ブラジリアで会談し、安全保障分野や中南米の反米左派独裁政権への民主化などで協力することを確認した。政府系ブラジル通信が報じた。
ポンペオ氏は会談後の記者会見で、ベネズエラのマドゥロ政権下での独裁化と経済危機を憂慮していると表明、「アラウジョ外相と共に、ベネズエラに民主主義が戻ることを望んでいる」と強調した。ベネズエラでは食料や医薬品などが日常的に不足しており、政治弾圧による理由も含めて国外脱出者は350万人を超えている。
1日のブラジル大統領就任式に出席していたポンペオ氏は、「ブラジルの権力交代は平和的かつ民主的に行われた。しかし、(米州内にも)このような自由が許されない国が存在している。ベネズエラやニカラグア、キューバでは、人々が自分の意見を表明することさえ許されていない」と述べ、これらの国の民主化のためにブラジルと協力し合うと言明した。ポンペオ氏の発言に関して、ベネズエラ政府は「内政干渉だ」と強く反発しているという。一方、記者会見では、ボルソナロ新大統領に同性愛者などへの批判的な言動があることから、アラウジョ外相に対して、欧米メディアから「新政権がブラジル国内の人権問題をどのように捉えているか」との質問も出た。アラウジョ氏は、「我が国の人権対応が新政権で後退することはありえない、我々は国民の人権を必ず守ることを約束する」と明言した。
(サンパウロ綾村悟)