共和党幹部「疑惑の証拠なし」
米最高裁判事承認 6日にも上院で採決
米連邦最高裁判事に指名されたブレット・カバノー氏の性的暴行疑惑をめぐり、共和党幹部は4日、連邦捜査局(FBI)による追加の調査結果について、疑惑の証拠はなかったと主張。6日午後にも本会議での採決を行う意向を示した。
共和党上院トップのマコネル院内総務は4日、FBIの調査結果について「(疑惑の)裏付けは何もなかった」と指摘。調査結果を不十分とする民主党議員に対しては、「彼らは常にゴールポストを動かす理由を見つけ出す」と批判し、採決に向け手続きを進める考えを示した。現在、上院の議席数は、共和党の51に対し、民主系は49と僅差となっている。この日、カバノー氏の承認に対し賛否を明らかにしていない共和党議員3人のうち2人が「新たな証拠は全くなかった」などと調査結果を前向きに評価したことで、承認される見通しが高まっている。
カバノー氏は4日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)に寄稿し、疑惑を追及する民主党議員を強い口調で批判した先週の公聴会での証言について「かつてないほど感情的になり過ぎた」と反省。家族や自身の名誉を守るための証言だったと釈明し、もし承認されれば「常に開かれた心を保ち、憲法や法を尊重する判事になる」と理解を求めた。一方、民主党議員らは、FBIの調査について「不完全」だと指摘している。米メディアによると調査対象となったのは約10人だが、ファインスタイン上院議員は、カバノー氏や性的暴行疑惑を告発したクリスティーン・フォード氏を聴取していないと批判した。この日、首都ワシントンでは、カバノー氏の承認に反対する抗議活動も激化。上院の議員会館に押し寄せるなどして、約300人が逮捕された。
(ワシントン山崎洋介)