米国務長官、来週4回目の訪朝
対北窓口役にフォード副社長
ポンぺオ米国務長官は23日、来週、北朝鮮を訪問すると発表した。また、3月から空席となっていた北朝鮮担当の特別代表に米自動車大手フォード・モーターのスティーブン・ビーガン副社長を起用し、訪朝に同行させることも明らかにした。
ポンぺオ氏の訪朝は中央情報局(CIA)長官時代を含めて4回目。6月の米朝首脳会談で合意された北朝鮮の非核化に向け、具体的な進展が見られない中、行き詰まりの打開を目指す。
ただ、金正恩朝鮮労働党委員長との会談については、米国務省のナウアート報道官は同日の記者会見で、「予定に入っていない」と述べた。
米朝交渉をめぐっては、朝鮮戦争で死亡した米兵の遺骨返還は実現したものの、非核化に向けた工程表の作成や国際原子力機関(IAEA)による査察の受け入れなど、非核化に向けた具体的な取り組みは進んでいない。こうしたことから、メディアや専門家には懐疑的な見方が広がっている。
米紙ワシントン・ポストは、今回の訪朝が失敗に終われば、政権内や議員の一部から「金氏に時間稼ぎをさせないことを示すために、制裁の強化や米韓軍事演習の再開などを促す声が高まるだろう」と指摘する。
非核化に向けた北朝鮮との交渉役を担う北朝鮮担当の特別代表については、ジョセフ・ユン氏の退任以降、空席となっており、交渉の窓口役の不在に懸念の声も上がっていた。
ポンぺオ氏は同日、ビーガン氏と共に記者会見し、「北朝鮮の脅威を外交によって解決することが、トランプ大統領の最優先事項だ」と語った。
ビーガン氏は、ブッシュ(子)政権でホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の上級スタッフを務めた。
3月に更迭されたマクマスター前大統領補佐官(国家安保担当)の後任候補として浮上したこともあった。