パラグアイ、アブドベニテス大統領就任
蔡英文台湾総統も式に出席
南米パラグアイで15日、中道右派マリオ・アブドベニテス大統領の就任式が行われた。任期は5年、再選は憲法で禁止されている。同大統領は、4月の選挙で与党コロラド党から出馬、対抗馬の中道左派エフレイン・アレグレ氏を破って当選した。
アブドベニテス氏は、司法改革などを通じた汚職撲滅や近年の経済成長の中で取り残されている貧困層への支援などを表明している。同性婚に関しては反対の立場を示しており、妊娠中絶に関しても基本的に反対している。パラグアイは、大豆や牛肉、自動車部品の輸出などが好調で、近年は6%近い経済成長を続けている。
就任式には、ブラジルのテメル大統領やボリビアのモラレス大統領など、中南米の首脳が参列していたほか、台湾の蔡英文総統が出席した。パラグアイは、南米で唯一、台湾と外交関係を継続している国家として知られる。中南米では、台湾と外交関係を持つ国に対して中国の激しい切り崩しが続いており、今年5月にはカリブ海諸国のドミニカ共和国が台湾と断交し中国との国交樹立を発表した。
こうした中、台湾は、蔡英文総統が大統領の就任式に合わせてパラグアイを訪問、14日には両国の関係者が会合する中で、台湾側はインフラへの投資拡大などを約束した。台湾は、これまでにもパラグアイの過疎地における発電所の建設や養殖産業の育成などに資金や人材を提供してきた。
(サンパウロ綾村悟)