李登輝氏、沖縄で慰霊祭に出席
中国の覇権主義を批判
沖縄を訪問中の台湾の李登輝元総統(95)は24日、糸満市摩文仁の平和祈念公園にある台湾人戦没者の碑「台湾之塔」で開かれた慰霊祭に出席した。慰霊祭では、李氏が「為國作見證(国のために実践せよの意味)」と揮毫(きごう)した石碑を台湾人元日本兵らと除幕し、参列した日台の関係者約120人と共に新たな碑の設置を祝った。
李氏は講話の中で、「戦争では多くの尊い命が犠牲になった」と涙ぐみながら、「先人たちが示してくれた道筋は、私たちの生きるべき道を示唆してくれている」と強調。「それが、碑に書かれている国のために実践するということで、平和、自由、民主主義が後世まで永続するよう願ってやまない」と述べた。
李氏は23日夕、糸満市のホテルで開かれた歓迎晩餐(ばんさん)会では中国の脅威と日台連携をテーマに講演。「中国は周辺国と絶えず緊張状態をつくり出し潜在的な軍事衝突の可能性を生み出している」と指摘、「台湾も中国の軍事的恫喝(どうかつ)を受けている」と訴え、海洋進出を狙う中国の覇権主義を厳しく批判した。
その上で、「日本の関与なくして朝鮮半島とアジアの平和は実現しない」と強調。さらに「自由や民主主義の価値観を共有する日台米が経済、文化、軍事面で連携して専制的な独裁国家(中国)の覇権主義を抑え込まなければならない」と訴えた。
除幕式は日本台湾平和基金会(西田健次郎理事長)が主催。晩餐会は同会と日本李登輝友の会(渡辺利夫会長)が共催した。