「平成」あと1年 両陛下、最後の公務続く
代替わり準備本格化
皇太子殿下が新天皇に即位され、「平成」から新しい元号に変わるまで、1日であと1年。来年4月30日の退位後、「上皇」「上皇后」となる天皇、皇后両陛下にとっては、最後の公務が続く1年となる。政府と宮内庁は儀式やお住まい、補佐体制など202年ぶりの退位に伴う代替わりの準備を本格化させる。
天皇陛下は昨年12月の記者会見で「残された日々、象徴としての務めを果たしながら、次の時代への継承に向けた準備を、関係する人々と共に行っていきたい」と述べられた。退位までは象徴としての公務を全うされる意向だが、退位後はそれらを基本的に全て新天皇に譲る方針で、皇后陛下も同様に公務から退かれる。
両陛下は8月15日、日本武道館で行われる全国戦没者追悼式に臨まれる。陛下は戦後70年を迎えた15年の式典から、「お言葉」で先の大戦に対する「深い反省」に3年連続で言及。天皇として最後となる今年の式典での表現が注目される。
地方訪問では、両陛下は6月、福島県南相馬市で開催される全国植樹祭に出席される。両陛下は東日本大震災の津波と原発事故に見舞われた福島に強く思いを寄せられており、県沿岸部を訪れ復興状況を視察される。植樹祭に国民体育大会、全国豊かな海づくり大会を加えた三大地方訪問は来年から、新天皇・皇后となる皇太子御夫妻が引き継がれる。
両陛下は遠隔地や離島への旅を大切にしておられ、これまで50以上の島を訪問された。3月には日本最西端の与那国島にも足を運んでおられる。8月には離島として最北端に近い北海道利尻島への訪問が検討されている。
両陛下は退位後、高輪皇族邸(東京都港区)に仮住まいし、1年半以内に今の東宮御所に移られる。皇太子殿下は両陛下が住んでいた御所の改修後、御一家で皇居に移られる。