米補佐官、後任にマクマスター氏
中東通の現役陸軍中将
トランプ米大統領は20日、辞任したフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の後任にH・R・マクマスター陸軍中将(54)を起用すると発表した。補佐官代行を務めていたキース・ケロッグ退役陸軍中将(72)は国家安全保障会議(NSC)の首席補佐官に就く。
マクマスター氏は湾岸戦争やイラク戦争での活躍で知られ、2014年7月から陸軍能力統合センター長を務めている。同年に米タイム誌の「最も影響力のある100人」に選ばれたほか、「率直な物言いの軍事戦略家」(ウォール・ストリート・ジャーナル紙)として米軍関係者の間で高い評価と尊敬を集めている。中東通であることから、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を最優先課題に掲げるトランプ政権の方針にも適した人選となる。
トランプ氏はフロリダ州の別荘で記者団にマクマスター氏の起用を発表し、「とてつもない才能と経験を備えた男だ。軍内で誰からも非常に尊敬されている」と強調した。またトランプ氏は、安保担当の大統領補佐官候補として名前が挙がっていたジョン・ボルトン元国連大使について、「別の立場で働いてほしいとお願いするつもりだ」と語った。
発表に同席したマクマスター氏は「国家安保チームに加わることを楽しみにしている。米国の国益を守るために、できることは何でもしたい」と述べた。
トランプ氏の親ロシア姿勢に批判的な共和党のジョン・マケイン上院議員はマクマスター氏の起用について、「本物の知性と能力を持つ人物で素晴らしい選択だ」とし、「この決定はトランプ氏に大きな信用を与えることになる」と評価した。
フリン氏の後任をめぐっては、ロバート・ハワード退役海軍中将に就任を打診したが、断られたと報じられていた。
(ワシントン岩城喜之)