羨ましい犬の境遇
韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」
犬にも多様な星回りがあるようだ。
今度の秋夕(韓国の祝日、陰暦8月15日=9月27日)の連休に特級ホテルで贅沢(ぜいたく)に暮らした犬が少なくないという。主人が帰省する間、ペット犬を“愛犬ホテル”に預けることで生まれた現象だ。ホテルに泊まった犬はエアコンがきいた安楽な場所で寝食を提供され、緑の芝生の上で存分に遊び回る。この程度は朝飯前だ。
今春、英国の展示会では3400万ウォン(約340万円)の犬小屋が登場した。テレビ、ソファーはもちろん、愛犬用のスパ、ランニングマシンまで備えた“犬の豪邸”だった。
死んで贅沢をする犬も少なくない。ペット犬が死ぬと愛犬葬儀場に安置所を設けて遺影を飾る。遺体は白装束を着せて桐の棺に納められる。だいたい2日葬で外部の弔問客を迎える。
葬儀の日には祭文を読んで飼い主の家族が棺に白いバラの花を撒く。僧侶まで参加して極楽往生をお願いしてくれるところもある。
先月、中国ではアウディの車を先頭にしたペット犬の葬列が遺影を掲げて市内を走り回ったという。葬儀費用に1200万ウォン使う人もいるほどだ。文字通りの「羨ましい犬の境遇」だ。
ところが犬にはそれほどの贅沢を享受する十分な資格がある。人間も備えがたい五徳の品性を備えているためだ。まず「義理」だ。犬はひたすら主人だけに従う。主人の身分が低くても、最高と思って見下すことがない。古今東西にわたり犬が主人を裏切ったという話は聞いたことがない。
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。