ブラジル・アマゾン 熱帯雨林の消失量最大


アマゾン熱帯雨林

 ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は18日、アマゾン熱帯雨林の年間消失量が、2006年以降で最大となる1万3235平方㌔㍍を記録したと発表した。INPEは人工衛星を利用してアマゾン熱帯雨林の監視業務を行っており、昨年8月から今年7月までの監視データを基に算出された。

 今回発表された消失量は、前年度から22%増加。長野県の面積に相当する森林が1年間で消失したことになる。

 森林消失の原因は、ほとんどが農牧地開拓などを目的とした違法伐採と野焼きによる森林破壊だ。

 ブラジル政府は、英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、28年までにアマゾン熱帯雨林の違法伐採を根絶すると約束した。

 ただ、開発を優先してきたボルソナロ政権下では、熱帯雨林の森林破壊が増え続けており、欧米諸国や環境保護団体からは、違法伐採の根絶を約束したブラジル政府の実行力が疑問視されている。

(サンパウロ 綾村悟)