アルゼンチン元大統領 カルロス・メネム氏死去


 南米アルゼンチンからの報道によると、元アルゼンチン大統領のカルロス・メネム氏が14日、首都ブエノスアイレス市内の病院で死去した。基礎疾患を抱えており、ここ数カ月は肺炎による入院を繰り返していたという。90歳。

カルロス・メネム氏

 

 1930年に同国西部ラリオハ州でシリア系移民の子として生まれた。弁護士として活躍した後、71年に正義党から州知事選に出馬して当選。76年のクーデターで軍事政権が発足すると、83年の軍政崩壊まで数年間にわたり投獄された。

 89年の大統領選挙で当選すると、経済危機下にあったアルゼンチンに「新自由主義」を導入、固定通貨制の導入でインフレを抑制し、積極的に公共事業の民営化や外資導入による経済活性化を試みた。99年まで2期連続で務めた。

 任期の後半は財政赤字の拡大と経済停滞に苦しんだ。同氏の経済政策が2001年の経済危機とデフォルト、さらには現在に続く深刻な貧困・格差問題の原因を招いたとも言われている。05年からは上院議員を務めていた。

 13年には、1990年代にクロアチアとエクアドルに武器を密輸した容疑で訴追され、一時は有罪判決も受けている。

(サンパウロ 綾村悟)