ウルグアイ大統領選挙 ラカジェ・ポウ氏が勝利


15年ぶりに保守政権誕生へ

 南米ウルグアイで24日に実施され、まれに見る接戦となった大統領選挙の決選投票は、与党左派・拡大戦線のダニエル・マルティネス前モンテビデオ県知事(62)が28日に敗北を受け入れた。これにより、中道右派・国民党のルイス・ラカジェ・ポウ前上院議員(46)が勝利宣言した。就任は来年3月1日で任期は5年。ウルグアイでは2005年から、3期連続で左派政権が続いていた。

ルイス・ラカジェ・ポウ前上院議員

ウルグアイ大統領選の決選投票で勝利した中道右派・国民党のルイス・ラカジェ・ポウ前上院議員=24日、モンテビデオ(AFP時事)

 同国選管は開票作業を終えているが、得票差が1・2ポイントの3万票差にとどまっていたことや、有効性の確認が必要な票が一定数残っていたため、現在も当選者を確定していない。

 だが、確認作業中に上積みされた得票数でもラカジェ・ポウ氏が上回っていることが判明。開票速報での僅差を受け、再集計を求めていたマルティネス氏が敗北を受け入れた。

 現在、南米各国では政情不安が続いており、チリやボリビア、コロンビアなどで死傷者を出す激しい反政府デモが起きている。最近の大統領選挙では、アルゼンチンで保守政権が倒れて左派政権が誕生。

 一方、ボリビアでは、反米左派のモラレス氏が不正選挙疑惑で退陣・亡命したが、支援者が続投を求めて激しい反政府デモを繰り広げており、左右の対立や格差への反発を軸とした社会不安が広がっている。

(サンパウロ 綾村悟)