米民主党討論会でバイデン、ハリス両氏が対決
2020年米大統領選に向けた2回目の民主党候補者討論会の2日目が31日、ミシガン州デトロイトで行われた。世論調査の支持率でトップを走るバイデン前副大統領(76)が登壇し、前回の討論会で同氏を追及したハリス上院議員(54)と論戦を交わした。
前回よりも攻撃姿勢を強めたバイデン氏は、ハリス氏の民間保険を存続させつつ国民皆保険を実現させるという医療制度改革案について「3兆㌦はかかる。実現させれば中間層の増税につながるだろう」と主張。計画について曖昧さがあることを指摘し、「表裏のある話をしてトランプ大統領に勝つことができない」と強調した。
これにハリス氏は「全く正確ではない」と反論。逆にオバマ政権時代の医療保険制度「オバマケア」を拡充させるバイデン氏の案では約1000万人が除外されるとし、「米国人全員を網羅しない計画で民主党から立候補することは許されない」と批判した。
オバマ政権で副大統領を務めていたバイデン氏は、当時の政策についても他候補から追及を受けた。ニューヨークのデブラシオ市長(58)は、バイデン氏に対し、オバマ政権下での不法滞在者の強制送還がトランプ政権よりも多いことについて、「オバマ大統領に『これは間違いだ』と進言したのか」と質問した。これに対し、バイデン氏は「大統領に何を言ったかは公にしない」と回答を避けた。ブッカー上院議員(50)は「都合の良い時だけ、オバマ大統領を利用している」とバイデン氏を非難した。
一方で、バイデン氏は「違法に国境を超えれば送り返されうる。これは犯罪だ」と述べ、不法移民を容認する立場とは一線を画した。
(ワシントン 山崎洋介)