米同時テロ被害者補償基金を延長 トランプ氏が法案に署名
トランプ米大統領は29日、2001年9月11日の同時多発テロに起因する負傷や家族の死、病気などの損害を補償する被害者補償基金を2090年度まで延長する法案に署名し、成立させた。
トランプ氏は、ホワイトハウスで開催した署名式で同時多発テロに起因するがんや病気による死亡者数は2000人以上になったと述べ、「われわれは、今も影響を受ける遺族に寄り添うことを誓う」と強調した。
被害者に対する医療費は連邦政府が同基金を通じて2020年まで支払うことになっていたが、近年、支払い請求が急増したため、財源不足に陥っていた。
署名式には、60人以上の初動対応者や救出活動による病気で死亡した人たちの遺族が参加。当時のニューヨーク市長で、現在トランプ氏の弁護士を務めるジュリアーニ氏も出席した。
トランプ氏は、同時多発テロの際に現場に駆け付けた消防士や救命士について「9月11日の英雄たちの愛と忠誠心に限りはなかった。彼らは真の米国人戦士の勇敢さでテロに対応した」と称えた。
(ワシントン 山崎洋介)