中国のウイグル弾圧、米国務長官「世紀の汚点」
「国際宗教自由同盟」創設へ
ポンぺオ米国務長官は18日、米国が主催した信教の自由に関する閣僚会合で演説し、中国によるウイグル系イスラム教徒への弾圧について、「現代における最悪の人権危機が中国で起きている。まさに世紀の汚点だ」と非難。世界で信教の自由を促進する新たな国際機関「国際宗教自由同盟」を創設すると発表した。
ポンぺオ氏の後に同会合で演説したペンス副大統領は、中国でウイグル族ら100万人以上のイスラム教徒が収容所で「24時間体制での洗脳に耐えている」と強調。収容所の生存者は、中国は意図的にウイグル文化を抹殺し、イスラムの信仰を根絶しようとしている」と批判した。
ペンス氏は中国との貿易交渉についても言及し、「中国との交渉で何が起ころうと、米国の人々が中国で信仰を持つすべての人々と連帯することを保証する」と強調。中国における信教の自由の侵害を貿易交渉の取引材料とすることなく、改善を求めていく立場を明確にした。
また、北朝鮮についてペンス氏は「信仰に対する扱いは(中国より)はるかに悪い」と指摘。聖書所持が重大な犯罪とされているなどとし、「トランプ大統領が北朝鮮の非核化と恒久的な平和を追求し続ける中、米国は朝鮮半島の全ての人々の信仰のために戦う」と強調した。
ポンぺオ氏は創設を発表した「国際宗教自由同盟」について、詳細は明らかにしなかったものの、「国際的な信教の自由の問題に立ち向かうため、志を同じくする国を一つにまとめる」と説明した。また、「この会合に他国が参加することを妨げようとさえした」と述べ、中国が他国に参加しないよう圧力をかけたと主張した。同会合は今年で2回目。16日から3日間行われ、106カ国から閣僚や宗教指導者、宗教弾圧の体験者らが集った。
(ワシントン 山崎洋介)