米大統領「正恩氏と会う」可能性言及


訪韓中に非武装地帯で

 トランプ米大統領は29日午後、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)閉幕後に大阪市内で記者会見し、韓国訪問中に非武装地帯(DMZ)で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と「会うかもしれない」と語った。実現すれば、昨年6月のシンガポール、今年2月のハノイに続き3回目の米朝首脳会談となる。

金正恩氏

金正恩氏(AFP時事)

 トランプ氏は、同氏のツイートを見た北朝鮮側から米国側に電話があり、会談に「非常に前向きな反応だった」ことを明らかにした。トランプ氏は同日午前、ツイッターに「金正恩氏がこれを見ていたら、DMZで握手し、こんにちはと言いたい」と書き込んでいた。

 訪日を終えたトランプ氏は韓国入りし、1泊2日の公式訪問をスタート。30日に文在寅大統領と共にDMZを訪問することが予定されている。

 トランプ氏は会見で、北朝鮮側に足を踏み入れるのは「問題ない」と主張。ただ、急な会談のため、実現しても北朝鮮の非核化に向けた突っ込んだ話し合いはできず、信頼醸成にとどまるとみられる。

 それでも、ハノイでの会談が決裂して以来、非核化交渉が完全に滞っていただけに、「サプライズ会談」が事態打開につながるか注目される。米国の専門家からは「正恩氏に核放棄を説得する取り組みを活性化させる完璧な機会」(ナショナル・インタレスト・センターのハリー・カジアニス韓国部長)になると期待感も出ている。

(G20大阪サミット取材班)