米大統領選、トランプ氏打倒へ20人が競う
民主党が初の討論会
2020年米大統領選に出馬表明した民主党候補の初討論会が26日夜(日本時間27日午前)、南部フロリダ州のマイアミで始まった。世論調査などにより参加資格を得た20人の候補者が、トランプ大統領への挑戦権を懸け、2日間の日程で論戦を繰り広げる。
10人が登場した初日は、世論調査で支持率が上昇しているウォーレン上院議員に注目が集まった。富裕層への増税や公的医療保険の全国民への拡充を訴える同氏は、米経済について「ごくわずかなトップ層や企業にとって素晴らしいだけだ。すべての人が潤わない経済は腐敗だ」と強調。格差是正のため「経済の構造的な改革」が必要だとした。
ブッカー上院議員も経済格差を問題視し、「巨大企業の統合を監視して、自由市場を機能させることが必要だ」と主張。自身が低所得の白黒のコミュニティーで育ったとして、「平均的な米国人のための経済となっていない」と訴えた。
また、移民政策をめぐって、各候補はトランプ氏の強硬姿勢を批判し、より寛大な立場をアピールした。「オバマ氏の再来」とも評されるテキサス州出身の若手オルーク元下院議員は「地球上で最も危険な国々から暴力を逃れてきた家族を拘束することはしない」と強調。幼少時に親とともに不法入国した「ドリーマー」たちに市民権を与えると約束した。カストロ元住宅都市開発長官はトランプ政権による移民取り締まり強化を是正すると主張した。
オルーク氏やカストロ氏は、中南米系の移民への共感を示すため、時折スペイン語を交えながら自身の政策を訴えた。
一方、大阪市で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に参加するためすでにワシントンを出発していたトランプ氏は、討論会中に「退屈だ!」とツイートした。大統領選には、民主党から史上最多の24人が名乗りを上げる乱立状態。各候補は、来年7月の党大会での指名獲得を目指し、論戦を本格化させる。
(ワシントン 山崎洋介)