ブラジルで大規模デモ


教育予算削減に反対

 ブラジルで15日、元軍人の保守派ボルソナロ大統領が進める公立大学の予算削減に反対する大規模デモやストライキが各地で行われた。サンパウロや首都ブラジリアなどの大都市では、大学生を中心に数万人が目抜き通りでデモを行い、同政権が1月に発足した後で、最大規模の反政府デモとなった。

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5日、ボルソナロ政権の教育政策に抗議し、ブラジル南東部サンパウロ市の中心部を行進するデモ隊(時事)

 予算削減に関しては、政府側が「あくまでも財政収支が厳しくなっていることに対する緊急対応だ」(ボルソナロ氏)と理解を求めるが、デモに加わった学生や大学教授らは、「ボルソナロ氏は、日頃から大学には左派が多いと批判しており、思想統制的な締め付けだ」、「年金改革法案を国会で通すために取った人質」などと反発している。

 一方、全国各地で繰り広げられる反政府デモに対して、ボルソナロ氏が訪問先の米国で「ばか者どもだ」と発言したとブラジルの主要メディアが報道、国内世論の強い反発を招いている。

(サンパウロ 綾村悟)