蜂起で4人死亡 ベネズエラ
大統領は軍引き締め
南米ベネズエラで野党指導者グアイド国会議長が4月30日に始めた蜂起で、5月2日までに4人の死者が出ていることが分かった。現地メディアによると、これまでに少なくとも150人が負傷、約200人が身柄を拘束されているという。
一方、マドゥロ大統領は2日早朝、首都カラカスの国軍基地を視察、兵士たちに向けて「裏切り者たちを倒そう」と呼び掛けた。マドゥロ氏はその後、軍幹部や数千人の軍人と共にカラカス市内を行進し、政権基盤である軍部の結束を内外に見せつけた。30日の蜂起では、一部の軍人がグアイド氏側についたため、軍部の引き締めを図ったものとみられる。
また、ベネズエラの裁判所は2日、グアイド氏と共に軍部に蜂起を呼び掛けた野党指導者レオポルド・ロペス氏に対して逮捕命令を出した。ロペス氏は、2014年に発生した反政府デモに絡み、政治犯として身柄を拘束された。その後、長らく収監されていたが、17年から自宅軟禁下に置かれていた。同氏は、グアイド氏が所属する大衆意志党の創設者でもあり、18年の大統領選挙では有力候補の一人だったが、立候補を禁止された。同氏は30日の蜂起後、家族と共にスペイン大使館に入って保護を求めた。スペイン政府は、ベネズエラ当局にロペス氏の身柄を引き渡すことはないと主張している。
(サンパウロ 綾村悟)