麻薬密売人が「見張り番インコ」
ブラジル警察が保護
ブラジル北東部ピアウイ州のテレジナ市で23日、麻薬密売人に「見張り番」として飼われていたアオボウシインコが保護されて話題になっている。
このインコは、22日に警察の家宅捜索で逮捕されたテレジナ市在住の麻薬密売人の夫婦が飼っていたもの。現地警察によると、警察官らが密売人の家に踏み込もうと近づいた直後、当該のインコが「ママ、ポリス」と大声で叫びながら家人に知らせたという。この日は、30歳の男性とその妻、さらに16歳の娘が麻薬所持の現行犯で逮捕された。
警察関係者は、「間違いなく、警察対策の見張り番として訓練された形跡がある」と説明、麻薬密売人が鳥を見張り番として訓練したケースは前例がないと驚いている。
保護されたインコは現在、テレジナ市の動物園に預けられており、数カ月の「リハビリ(飛行訓練)」を受けた後に野生インコの生息地に放鳥される予定だ。
ブラジルでは2008年、リオデジャネイロのスラム街(ファベーラ)で麻薬密売人に飼われていた2匹の「ワニ」が保護されたことがある。密売人は、敵対関係にあった密売人の死体をワニたちに食べさせて証拠を隠滅しようとしたが、ワニは死体を食べることを拒否したという。
(サンパウロ 綾村悟)