グアイド氏が帰国 ベネズエラ
マドゥロ政権が拘束の恐れ
反米左派マドゥロ大統領による強権政治が続くベネズエラで4日、野党指導者のグアイド国会議長が空路で南米諸国訪問から帰国した。グアイド氏は、1月23日に暫定大統領への就任を宣言した後、政権寄りの最高裁から出国禁止令が出されており、当局による拘束の危険がある中での帰国だった。
首都カラカスの空港には、多くの支持者や報道陣の他に、ドイツやフランスなどグアイド氏を支持する欧州各国のベネズエラ駐在大使が駆け付けて歓迎した。大使らの合流は、当局による拘束を防ぐ目的もあった。その後、カラカス市内に移動したグアイド氏は反政府集会に合流した。
グアイド氏は、広場を埋め尽くした支持者らを前に「マドゥロ政権は、私たちに対して投獄や死をにおわせて迫害してきたが、決して屈することはない」「一致団結して立ち向かおう」と訴えた。
コロンビアやブラジルの国境沿いに集まっている人道支援物資の搬入を助けるため、グアイド氏は先月22日にコロンビアの国境の町、ククタに出国した。しかし、支援物資搬入は国家警備隊の妨害を受けて失敗、治安部隊との衝突で民衆に300人近くの死傷者が出る事態となった。
その後、グアイド氏は、コロンビアでペンス米副大統領と協議、さらに同氏への支持を明らかにしている「リマ・グループ」に所属するブラジルやパラグアイ、アルゼンチン、エクアドルなどを訪問、マドゥロ政権に対する外交圧力を強めることなどで各国政府に協力を要請していた。
(サンパウロ綾村悟)