ベネズエラ ブラジルとの国境閉鎖へ
マドゥロ氏、支援物資の搬入阻止
南米ベネズエラの反米左派マドゥロ大統領は21日、野党指導者グアイド暫定大統領がブラジルに人道支援物資を要請している問題に絡み、ブラジルとの国境を閉鎖すると発表した。
ブラジルは、強権政治を続けるマドゥロ氏の正統性に疑義を挟み、グアイド氏支持を明確にしている国の一つ。ブラジルは、ベネズエラからの難民に積極的に対応しているほか、19日には支援物資搬入にできる限りのことを行うと表明していた。
マドゥロ氏は、ブラジル国境付近に国軍を配置するとともに、米国からの支援物資が集まるコロンビアとの国境閉鎖も検討していることを明らかにした。一方、オランダ領キュラソーに集まる米国の支援物資に対しては、すでに海上封鎖を行っており、支援物資搬入を断固阻止する構えだ。
こうした中、グアイド氏は支援物資を人海戦術で運び込むとしており、同氏と反政府派の国会議員、ボランティアを乗せた車列が21日朝に首都カラカスを出発した。コロンビアの国境の街ククタは、カラカスから800キロの地点にある。現地からは、何台かのトラックやバスが国軍によって通行を阻止されたとの情報も入っている。グアイド氏は、支援物資が搬入されなければ、「30万人が飢餓と餓死に直面する」と主張。一方、マドゥロ氏は「人道危機は存在しない」「米国の軍事介入につながる」と、真っ向から対立している。
(サンパウロ綾村悟)