米大統領 きょう一般教書演説
不法移民対策要請へ
トランプ米大統領は5日夜(日本時間6日午前)、米議会で今後の施政方針を表明する一般教書演説を行う。2度目となる今回のトランプ氏の演説のテーマは「偉大さの選択」で、上下院で多数派が異なる「ねじれ議会」で与野党の対立が強まる中、超党派の団結を呼び掛ける。ホワイトハウス高官によると、トランプ氏は演説で不法移民対策や通商・貿易政策、インフラ整備、薬価引き下げ、国家安全保障の五つの主要分野に焦点を当てる。これらの問題で、トランプ氏は議会に対して歩み寄るよう要請するとしている。
不法移民対策に関しては、トランプ氏は、2016年大統領選の主要な公約であった「メキシコ国境の壁建設」に必要性を改めて訴えるとみられる。一方で、民主党は依然として壁は不要との立場を崩していない。
ホワイトハウスは4日、一般教書演説に招待するゲストを発表。それによると、トランプ氏は、先月、ネバダ州で不法移民によって殺害された夫妻の遺族や麻薬密輸や人身売買の取り締まりに長年当たった国土安全保障省の捜査官も招くなど、不法移民対策の必要性をアピールする。
一方、民主党議員は壁建設をめぐる与野党対立を受けた政府機関の一部閉鎖で仕事ができなかった航空管制官を招待するなど、トランプ氏が壁建設にこだわることによって政府閉鎖が長引いたとのメッセージを送る。このほか、共和党のフォーテンベリー下院議員は、昨年ノーベル平和賞を受賞したイラク少数派ヤジド教徒の女性人権活動家、ナディア・ムラドさんを招待する。
(ワシントン山崎洋介)