米最高裁、保守派カバノー氏が判事就任
トランプ氏「とてつもない勝利」
トランプ米大統領が連邦最高裁判事に指名した保守派のブレット・カバノー氏が6日、上院の採決で賛成50、反対48の賛成多数で承認され、宣誓式を経て正式に就任した。
上院の採決では、反対を表明していた共和党のマコウスキー議員は棄権し、同党のデインズ議員は私用で本会議での採決に参加しなかった。一方で、保守地盤であるウェストバージニア州選出の民主党議員が賛成に回った。
トランプ氏は6日にカンザス州で行われた選挙集会で、カバノー氏の就任について、「とてつもない勝利だ」と強調。カバノー氏の性的暴行疑惑が浮上する中、共和党議員らが結束して承認を支持したことに対しては、「(カバノー氏に対し)民主党が人格を否定する恥知らずな攻撃をする中、後退することを拒絶したことを感謝する」と述べた。
トランプ氏が指名した最高裁判事の就任は昨年のニール・ゴーサッチ氏に続いて2人目。トランプ氏は就任から2年足らずのうちに、2人の保守派判事を最高裁に送り込んだことになり、中間選挙が約1カ月後に迫る中、共和党支持層にアピールできる実績を作った形となった。
最高裁判事は終身制で、人工妊娠中絶や同性婚、銃規制など国論を二分する問題で最終判断を下す。カバノー氏の就任により、9人の判事のうち、保守派が5人、リベラル派が4人となり、今後、保守的な司法判断が増えるとみられる。
カバノー氏の性的暴行疑惑をめぐっては、先月の公聴会で、大学教授の女性が被害を受けたと証言する一方、カバノー氏は全面的に否定し、主張が真っ向から対立。その後、トランプ氏の支持を受けて急遽(きゅうきょ)連邦捜査局(FBI)が捜査を実施した。
民主党議員らはFBIの捜査結果を「不十分」だとして、採決に反対。上院の3分の1が改選される中間選挙後に採決が先送りされれば、否決されるリスクもあったが、共和党幹部は「暴行を裏付ける事実はない」などとして、採決を実行した。
(ワシントン山崎洋介)