ロシア疑惑、元選対議長が司法取引


捜査協力へ、解明進むか

 2016年の米大統領選でトランプ陣営の選対本部議長を務めたポール・マナフォート被告が14日、司法取引に応じ、一部の罪状について有罪を認めた。モラー特別捜査官によるロシア疑惑へを含む捜査にも協力することに同意した。

ポール・マナフォート被告

ポール・マナフォート被告(EPA時事)

 マナフォート被告は14日、米ワシントン連邦地裁に出廷し、脱税や司法妨害を企てた罪などを認めた。主な起訴内容は選対議長に就任する以前の罪で、ロシアの大統領選介入疑惑には、直接関係はしない。

 ただ、マナフォート被告は、2016年6月にトランプタワーで行われたトランプ陣営とロシア弁護士との面会に同席するなど疑惑解明のカギを握る人物ともみられており、同被告の証言によって捜査が進展する可能性もある。同被告は、同年6月から選対議長を務めていたが、ウクライナの親露派との不適切な関係が報じられ、同年8月に辞任していた。

 マナフォート被告は、脱税などの罪で、先月有罪評決を受けており、最大で10年の禁錮刑が言い渡される見通しだった。捜査協力をすることで、同被告の減刑が図られると見られている。一方、サンダース大統領報道官は声明で、マナフォート被告の司法取引について「これは大統領本人や2016年大統領選での勝利とは何の関係もない」と強調した。

(ワシントン山崎洋介)