北朝鮮、核物質生産を継続


米国務長官画像公聴会で証言

 ポンぺオ米国務長官は25日、上院外交委員会の公聴会で「北朝鮮が核物質の生産を続けている」と明らかにした。6月の米朝首脳会談で、金正恩朝鮮労働党委員長が「完全な非核化」に合意した後も核関連活動を続けていることを認めた形だ。

ポンペオ国務長官

25日、ワシントンで、米上院外交委員会の公聴会に出席したポンペオ国務長官(EPA時事)

 ポンぺオ氏は、北朝鮮の非核化について「非常に長い道のりだ」としつつも「無駄に長引かせるつもりはない」と強調。2021年1月までに北朝鮮の非核化を達成する考えを改めて表明し、「可能であればもっと早く実現させる」とも述べた。

 ポンぺオ氏はまた、北朝鮮がすべての核兵器の廃棄に同意したのかとの質問に対して、「北朝鮮は米国が求める非核化について十分に理解していると確信している」と強調。一方、北朝鮮が保有する核物質や核兵器について情報を開示したかどうかは明らかにしなかった。

 北朝鮮は、北西部・寧辺に使用済み核燃料再処理施設とウラン濃縮施設を所有し、平壌近郊にも秘密施設「カンソン」が存在するとされる。

 ポンぺオ氏はこのほか、北西部・東倉里のミサイル基地の解体が始まったとする北朝鮮分析サイトの発表について、「前進だ」と評価した。

 一方、アジア太平洋地域の外交・安全保障専門のオンライン誌ディプロマットは25日、複数の米政府関係者の話として、米情報機関は先週、ミサイル基地から撤去されたロケットエンジンの試験台は「数カ月で再建が可能」で、液体燃料エンジンの開発や弾道ミサイルの量産をする上で「もはや重要ではない」と評価したと報じた。

(ワシントン山崎洋介)