米朝首脳会談中止 トランプ米大統領、最大限の圧力維持


米、主導権確保狙う
北は対話継続求める

 トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで、6月12日に予定されていた米朝首脳会談を中止したことについて、「北朝鮮、世界にとって大きな後退」だと表明した上で、「かつてないほど厳しい制裁と最大限の圧力は続ける」と強調。北朝鮮の核放棄に向け、国際包囲網を再び強化する方針を示した。

トランプ氏

24日、米ホワイトハウスで、米朝首脳会談の中止について見解を明らかにするトランプ大統領(EPA=時事)

 また、トランプ氏は「もし必要であれば、世界最強の米軍は準備ができている」と述べ、軍事力行使も辞さない姿勢を見せ、北朝鮮を牽制した。

 トランプ政権による米朝会談中止の通告のタイミングは、北朝鮮が実施した核実験場の爆破直後というサプライズとなった。北朝鮮が挑発的な発言を強め、会談の中止にも言及する中、トランプ氏は金正恩朝鮮労働党委員長よりも先に会談中止を通告することで、非核化をめぐる今後の駆け引きで主導権を握ることを狙ったとみられる。

 ポンぺオ国務長官は24日、上院外交委員会で「最大限の圧力をかける取り組みを続ける」と述べ、同盟国と協力しながら北朝鮮への制裁を強化するとした。しかし、一度対話ムードが高まった後に、圧力強化で再び国際社会の協力を得ることができるかが課題となる。

 6月上旬にカナダで開かれる先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)で、北朝鮮への圧力強化でG7首脳が歩調を合わせ、力強いメッセージを発信することができるかも注目される。

 一方で、トランプ氏は、正恩氏が「建設的な対話と行動を選ぶことを私は待っている」とも語り、対話の扉は開かれているとの考えを示した。

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金桂冠第一外務次官は25日、「われわれはいつでも、どんな方式であれ、向かい合って問題を解決していく用意がある」と述べた上で、首脳会談は「切実に必要だ」と訴えた。

 これについてトランプ氏は、ツイッターに「非常に良いニュースだ」と投稿。その上で「これがどこへ向かうか間もなく分かるだろう。長続きする平和と繁栄につながることを願う」と期待を示した。

 ただ、ホワイトハウス高官は、ワシントン・ポスト紙(電子版)に対し、「北朝鮮とは信頼関係を損なったので、近いうちに首脳会談が開かれる見通しはない」と語った。

(ワシントン山崎洋介)