20年までの核廃棄求める 河井特別補佐が講演


 自民党の河井克行・総裁外交特別補佐は25日、ワシントンで講演し、トランプ米大統領は米朝首脳会談で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対して、2020年までに核開発計画を放棄するよう要求し、期限が守られなければ制裁緩和は実施しないという態度を明確にすべきだと訴えた。

 河井氏によると、安倍晋三首相は今月中旬の訪米時にトランプ氏に、非核化は、苦戦が予想される2年後の米大統領選までに実施すべきだと訴えたという。

 このような強硬な主張の背景には、韓国の文在寅大統領、トランプ氏が関与を強め、事態が急速に進んでいることから、北朝鮮問題をめぐって日本が取り残されるのではないかという危機感がある。

 河井氏は20年の廃棄目標とともに、「完全、検証可能かつ不可逆的な核・ミサイルの廃棄」が達成されるまで国際的な制裁の解除を認めるべきではないと主張。北朝鮮から、約3万人の在韓米軍の撤収要求を受けても、南北統一へ北朝鮮にとって有利な条件となる可能性があり拒否すべきだと訴えた。

 文氏が27日の北朝鮮との首脳会談で、20年までの完全、検証可能、不可逆的な廃棄を求めるかどうかは不明だが、日本政府は文氏が北朝鮮との交渉で主導権を握ることに懸念を抱いてる。

 金氏は、交渉を長引かせながら、相手国から経済支援を引き出すという従来の方法を取ろうとしているのではないかとみられる一方で、文氏は、完全な核・ミサイル廃棄を目指すと公式には語っているものの、周辺には、2年以上かかる可能性を示唆している。

(ワシントン・タイムズ特約)