露軍機の挑発的行動に警戒


米国海軍機に異常接近

 ロシアの戦闘機が1月29日、黒海上空で米海軍の電子偵察機の1・5㍍にまで異常接近するという事故が報告されたが、ロシアによる挑発的な行動がこのところ続いており、米国、北大西洋条約機構(NATO)は神経をとがらせている。

 米国は今回の異常接近を受けて、「明白な」国際法違反とロシアを非難した。米国は昨年4月以来、ロシア機の挑発行動に対して高い警戒態勢を取ってきた。同月、核兵器搭載可能なロシアの爆撃機TU95、2機がアラスカ州コディアック島の160㌔以内の空域を飛行したからだ。

 ロシア機は米戦闘機F22に誘導されて島から離れ、事なきを得たものの、その2カ月後には別の挑発的な行動をロシアは取った。米欧州軍によると、ロシアの戦闘機が6月、バルト海上空で米空軍の偵察機に「高速で接近し、機体のコントロールもよくできていなかった」(米軍の準機関紙スターズ・アンド・ストライプス)という。

 ロシアの戦闘機がコントロール不能だったのか、意図的に危険な操縦をして米軍機に接近したのかは明らかになっていない。この事故を調査した米当局者によると、米偵察機RC135の数㍍内にまで接近したという。

 11月には、ロシアの戦闘機が黒海上空を飛行中の米軍偵察機の15㍍以内を通過し、アフターバーナーを使用した。米軍機は後流に巻き込まれ、機体は15度も傾いたという。

 また、黒海、地中海などの海域で近年、ロシアの潜水艦の活動が活発になっている。12月には英軍が、ロシアの艦艇が各地で海底の通信ケーブル付近を航行している可能性があると警告した。

 英海軍は、この地域でのロシア海軍の活動の「急激な高まり」を報告している。

(ワシントン・タイムズ特約)