メキシコ地震、死者61人に


ハリケーンで被害拡大懸念

 メキシコ政府は8日、同国の太平洋側の南部沖で7日夜(日本時間8日午後)に発生した大規模な地震の死者数が61人、負傷者が200人を超えたと発表した。米地質調査所(USGS)は、地震の大きさをマグニチュード(M)8・1と発表、現地報道によると、メキシコで発生した地震としてはここ100年で最大のものだという。

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 地震による被害は、オアハカ州やチアパス州を中心としたメキシコ南部に集中しており、倒壊した家やビルなども少なくない。現地では、国軍などによる行方不明者の捜索や救助活動が続けられているが、中規模の余震が続いており、さらに犠牲者が増える可能性が高い。地震では、発生から72時間が生存者が激減する「生存率の壁」と言われており、救出活動が急がれている。

 ペニャニエト大統領は8日、被害が最も大きかったオアハカ州フチタン市などの被災地を視察、犠牲者への追悼を行うと同時に、最大の支援を行うことを約束した。被災地の中には、地震の影響で道路が寸断されている地域もあり、今後はこうした地域への飲料水や食物、医療品などの支援も必要になる。

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8日、メキシコ南部オアハカ州フチタンの地震被災地で、がれきに埋まった車(AFP=時事)

 一方、メキシコ南部にはハリケーン「カティア」が近づいており、米国立ハリケーンセンター(NHC)が警戒を呼び掛ける中で、雨による地盤の緩みなど、被害の拡大が懸念されている。首都メキシコ市では、地震による大きな被害はなく、地下鉄や空港なども通常の業務を続行している。また、現時点では日本人や日本企業への被害は確認されていない。

 地震は、隣国のグアテマラにも家屋の倒壊などの被害を及ぼしており、少なくとも1人の死亡が確認されている。

(サンパウロ綾村悟)