米がアフガン増派へ、トランプ政権は具体策示せるか
4000人規模、関与継続
複数の米メディアは21日、トランプ大統領がアフガニスタンへの米兵4000人規模の増派を承認したと報じた。トランプ氏は同日、バージニア州フォートマイヤーの米軍基地で演説し、アフガンへの関与継続を主張したが、増派については明らかにしなかった。アフガンには現在、米兵約8400人が駐留している。
トランプ氏は演説で、「米史上最長」となるアフガン戦争からの撤退も検討したとしながら、「早期の撤退は、(2001年に起きた)米同時テロのような状況が起こる可能性がある」と指摘。オバマ前政権がイラクから米軍を撤退させたことで「力の空白」が生まれ、結果として過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭を許したとし、「イラクの失敗を繰り返すわけにはいかない」と主張した。
またトランプ氏は「米国の目標は明確だ。米国に脅威となるテロリストに再び安住の地を与えないことだ」と強調。ただ、「米軍の作戦開始、あるいは終了の日程を事前に発表するのは逆効果だ」とし、詳細な作戦計画については語らなかった。
演説では、国内に反政府勢力タリバン幹部をかくまっているとされるパキスタンを厳しく批判。「アフガンで米国と協力して多くを得るか、テロリストを保護し続けて多くを失うかだ」と述べ、パキスタン政府に対テロ戦での対応を迫った。
トランプ氏の演説を受け、マティス国防長官は21日夜、「ダンフォード統合参謀本部議長に大統領の戦略を実行する準備をするよう指示した」とする声明を発表した。
アフガンではタリバンが攻勢を強めており、治安が急速に悪化。アフガン政府の支配地域は6割程度に減少している。
(ワシントン岩城喜之)