大統領選は「価値観の勝利」


 トランプ米大統領は24日、ワシントン郊外で行われた保守派活動家らが一堂に会する年次集会「保守政治行動会議(CPAC)」で演説し、昨年11月の大統領選について「保守派の価値観の勝利だった」と強調し、集まった支援者らに謝辞を述べた。

トランプ氏、国防費大幅増を表明

 トランプ氏は「専門家はわれわれが勝つと思っていなかった。あなたたちの力を過小評価していたからだ」と述べ、保守派の支持が当選の大きな原動力になったと強調した。

トランプ

24日、米ワシントン近郊で演説するトランプ大統領(EPA=時事)

 昨年3月のCPACでは「反トランプ」を掲げる保守派が多く、トランプ氏も直前に演説を取りやめるなど溝が深かったが、今年はトランプ政権がオバマ前政権のリベラルな政策を次々と是正していることなどから、一転して「熱狂的な歓迎」(ワシントン・ポスト紙)を受けることになった。

 トランプ氏は初めて大規模な政治演説をしたのが6年前に参加したCPACだったと述べ、「ここに戻れてよかった」と強調。また「われわれの運動の核心は、市民を第一に考えることだ」とし、「今から共和党は米国人労働者の党になる」と訴えた。

 トランプ氏はさらに、国防予算を大幅に増額させることを表明し、「米史上で最も大規模な軍備増強の一つになる」と主張。「今後は誰も米国の軍事力に疑問を抱くことはないだろう」と強調した。

 イスラム圏7カ国からの一時的な入国禁止措置が批判を浴びていることに関しては、「米国民の安全を守るため、絶対に謝罪することはない」と訴えた。過激派組織「イスラム国」(IS)についても言及し、「同盟国と協力して、地球上からこの悪を根絶させる」と語った。

(ワシントン岩城喜之)