米英首脳、NATOの重要性を確認
「特別な関係」強化へ
トランプ米大統領とメイ英首相は27日、ホワイトハウスで会談し、両国の「特別な関係」を強化していくことで一致した。両首脳は会談で北大西洋条約機構(NATO)の重要性を確認。米英の自由貿易協定(FTA)交渉に向けた協議を進めることも話し合った。
20日に就任したトランプ氏が外国首脳と会談するのは初めて。トランプ氏は会談後の共同記者会見で「(米英の)特別な関係は正義と平和にとって偉大な力の一つとなってきた」と強調。英国が欧州連合(EU)離脱を決定したことについて「自由で独立した英国は世界にとって素晴らしい」と称賛した。これに対してメイ氏は「(会談は)米英の特別な関係の強さと重要性を示すものだ」とし、テロ対策で米国と緊密な連携を続けていくと語った。
またメイ氏は「われわれはNATOへの揺るぎない責務を再確認した」と強調。トランプ氏が会談でNATOを100%支持すると語ったことも明かした。
これまでトランプ氏はNATOについて「時代遅れ」と批判し、欧州に安全保障上の負担を要求していた。これについてメイ氏は「国内総生産(GDP)の2%を国防に費やす責任を果たすよう欧州の指導者に働き掛ける」と述べ、トランプ氏の主張に一定の理解を示した。
また、両首脳は英国のEU離脱を見据えてFTAの交渉に向けた協議を進めることを確認。メイ氏は「どのように交渉開始に合意し、貿易協定の基盤づくりができるか協議している」と説明した上で、「米英の貿易協定は、両国の利益になると確信している」と語った。
ロシアとの関係をめぐっては、トランプ氏が「良い関係を築きたい」と関係改善に意欲を示したが、ウクライナ軍事介入を受けた対ロシア経済制裁の解除については「議論するのは時期尚早だ」と述べるにとどめた。これに対しメイ氏は「(ロシア制裁は)継続しなければならない」と述べ、米国が他国との足並みを乱して制裁を解除しないようくぎを刺した。
(ワシントン岩城喜之)