コロンビア和平が成立


議会が承認、半世紀の内戦終結へ

 コロンビアで30日、政府と同国最大の左派ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)の間で調印した新和平合意案が議会下院で130対0の賛成多数で承認された。上院はすでに承認しており、半世紀以上にわたって続いてきた内戦は事実上の終わりを迎えることになる。

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30日、コロンビアの首都ボゴタで、政府と左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)の新和平合意を支持し、旗を掲げる男性(AFP=時事)

 新和平合意案は、10月2日の国民投票で否決された前回の和平案に修正を加えたもの。国民投票で和平案が否決されたのは、ウリベ前大統領を中心とする和平合意反対派による影響が大きく、人権侵害の罪を犯したゲリラに対する厳しい処罰やゲリラによる政治参加の制限など、反対派は10項目に及ぶ修正を求めていた。

 国民投票後、政府とFARCはすぐに和平案の修正作業に取り掛かり、FACRの財産を利用した内戦犠牲者に対する補償内容などを加えた上で11月24日に政府とFARC間で調印されていた。

 ただし、新合意案にもゲリラの政治参加を認めることや、罪を認めたゲリラ構成員への罪の減免などが盛り込まれていたため、ウリベ前大統領をはじめとする和平合意反対派は、新合意案にも反対、30日に下院での決議を棄権して反対の意を表した。ウリベ前大統領ら反対派は、2018年の大統領選に和平合意反対派の候補の擁立を目指すなど今後も抵抗を続けることを明らかにしている。

 一方、和平成立により、今後は国連監視部隊によるFARCの武装解除と社会復帰に本格的に取り掛かることになり、南米最大の武装ゲリラだったFARCは政党として新たな出発をすることになる。

 半世紀以上続いたコロンビアの内戦では、民間人を含む20万人以上の犠牲者が出ていた。