米民主党大会、サンダース支持者が猛反発
2016米大統領選
クリントン氏を正式指名
米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれている民主党大会は2日目の26日、ヒラリー・クリントン前国務長官を党の大統領候補に正式指名した。米主要政党で候補となった女性は初で、11月8日に行われる本選で共和党候補のドナルド・トランプ氏と対決する。
民主党の候補を選出する投票は、各州ごとに代議員が票数を発表する形式で行われた。クリントン氏が指名に必要な過半数(2383人)を超える2842人の代議員を獲得すると、バーニー・サンダース上院議員が議長に対してクリントン氏の指名を承認する提案をし、了承された。
一方、この直後から、サンダース氏を支持する代議員らが指名獲得までの手続きが不公平だったと会場外で猛抗議。民主党全国委員会がクリントン氏に肩入れしていた内容のメールが流出したことに対する反発もあり、党大会の会場に併設されているプレスセンターになだれ込んで無言の座り込みを行った。こうした混乱に、海外メディアは「プレスセンターがハイジャックされた」などと中継。同センターの外にもサンダース支持の代議員が100人以上押し寄せ、周囲は騒然となった。
反発を強めるサンダース支持者を11月の本選でクリントン支持に向かわせるのは容易でない状況だ。ロイター通信が6月下旬に発表した世論調査によると、サンダース支持者の3割以上がクリントン氏に投票しないと回答している。
プレスセンターの前で抗議活動をしていたカリフォルニア州の代議員テイラー・ヒーニューさん(41)は「ベンガジ事件や私用メールアドレスを公務で使っていた問題などで、ヒラリーは信用できない」とし、「このままでは、サンダース支持者の多くが本選で第3党に向かうだろう」と党幹部に警告を発した。
この日、登壇したクリントン氏の夫ビル・クリントン元大統領は「(ヒラリー氏は)変革者だ」と述べ、支持を訴えた。ただ、サンダース支持者の党執行部に対する不信感は根強く、党内結束の道筋は見えないままだ。
(フィラデルフィア岩城喜之)