ホンジュラス 初の左派女性大統領就任


就任式、米台はナンバー2派遣

27日、テグシガルパで行われた就任式で演説するホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領(EPA時事)

 中米ホンジュラスで27日、左派与党連合から大統領選挙に出馬して当選したシオマラ・カストロ氏(62)が女性初の大統領に就任した。ホンジュラスは台湾と外交関係を持つ14カ国の一つ。就任式には、米台からハリス米副大統領と頼清徳副総統が派遣された。

 カストロ氏は「当選すれば台湾と断交して中国と国交を回復する」と主張してきたが、米国や台湾からの外交攻勢を受けて、現在は台湾との外交関係を維持する意向を示している。ただ、中国は中南米で台湾切り崩しの激しい外交戦を繰り広げており、今後もホンジュラスに対する働き掛けは続く可能性が高い。

写真㊨ホンジュラスに到着した台湾の頼清徳副総統=26日、中部コマヤグア(AFP時事)写真㊧27日、テグシガルパで行われた大統領就任式に出席するハリス米副大統領(中央)(AFP時事)

 カストロ氏は、26、27日と続けて頼清徳副総統と会談。大統領就任に際して、台湾から新型コロナウイルス対策の物資が大量に届けられており、カストロ氏は謝意を示した。

 また、米国のナンバー2であるハリス氏の出席は、懸案の不法移民対策に加えて、米国が中米での中国の進出を強く警戒していることを表している。

(サンパウロ 綾村悟)