9月11日は1年の中で365分の1の一日(ひとひ)だが…
9月11日は1年の中で365分の1の一日(ひとひ)だが、これほど心に刻まれた日もあるまい。
2001年、米ニューヨークの世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだ。その映像が脳裏に焼き付く
9月11日という日に罪はないけれど、物悲しい日となった。他に記すべき出来事がなかったものかと『雑学辞典』で調べてみると、19世紀最後の1900(明治33)年のきょう、公衆電話が新橋と上野の両駅に設置されたとあった
「通話は五分間を限るものなれば、なるべく手早く談話を終るよう注意すべし」「五銭白銅貨のみなれば三個を入れよ」と使用心得に書かれている。通話料は15銭。今でいえば2000円ほどか
電話を発明したグラハム・ベルは、母が聴覚障害者で耳の聞こえにくい人のために考案した。米国電話電信会社(AT&T)が設立されたのは1885年のこと。ベルに意気投合した人々が株を買い、1901年には株主数は1万人に達し、31年には実に64万人に上った
最大の筆頭株主でも株式持ち分のわずか0・7%。最大株主20人の持ち分を合計しても4%にすぎなかった。同社がいかに大衆に支えられていたかが知れる
今日の金融資本主義の米社会では1%の富裕層が富の大半を占めているというから雲泥の差を感じる。米国はどこに行くのだろうか
9・11から話題を逸らそうとしても導かれるように米国に戻ってしまった。きょうはこの国を想う日のようだ。