決着まで数日か ペルー大統領選
急進左派候補優勢で接戦に
南米ペルーで6日に実施された大統領選挙の決選投票は、終盤に急進左派のペドロ・カスティジョ氏(51)が、フジモリ元大統領の長女で保守派のケイコ・フジモリ氏(46)に対して僅差で優勢に立った。
ペルー中央選管によると、開票率96・43%の時点で、カスティジョ氏の得票率は50・29%、ケイコ氏は49・71%と差は1ポイント以内。8日以降にケイコ氏が優勢とされる在外投票分が届くため、得票差が縮まる可能性もある。
ケイコ氏が僅差で破れた2016年の大統領選挙では、選挙結果の確定に4日間を要したこともあり、今回も公式結果の発表まで時間がかかるとみられている。米州機構(OAS)など国際選挙監視団は「公正な選挙が行われた」と評価しているが、破れた候補が票の再集計や不正投票を訴えた場合には、デモなど混乱も予想される。
今回の選挙では、開票当初はケイコ氏の優勢が伝えられた。しかし、7日に開票作業が続く中でカスティジョ氏が逆転すると、社会主義的な同氏の政策に危機感を抱く投資家が反応し、ペルー通貨や株、債権が急落した。カスティジョ氏は7日、「中銀の独立性を尊重し、資源の国有化なども行わない」と言明したが、有権者や経済界の疑念を払拭(ふっしょく)し切れていないのが現状だ。
(サンパウロ・綾村悟)