中国総領事館はスパイの拠点
ヒューストン 昨年閉鎖
米機関検証 前政権の主張裏付け
トランプ米前政権が昨年、閉鎖を命じたヒューストンの中国総領事館が、中国の世界的な科学技術収集の「主要拠点」だったことが、新たな調査報告から明らかになった。前政権の「スパイ活動の拠点」との主張が裏付けられた格好だ。
ジョージタウン大学安全保障・新興技術センターは、2015~20年に中国の外交官が承認した642件の「国際技術協力」を検証し、ヒューストンの中国総領事館が世界的な科学技術(S&T)収集の主要拠点となっていたことを明らかにした。
知的財産の窃取は、欧米との技術面での遅れを埋めるための中国の取り組みで中心的位置を占めてきたと指摘されてきた。
報告書によると、この間に中国外交官が承認したS&Tプロジェクトはヒューストン総領事館が最も多く、「米国発のプロジェクトの89%」に当たる。
また、17年から2年間、ヒューストン総領事館は中国の技術移転センターと仲介イベントを共催し、年間約300の米企業がこれに興味を示したという。
トランプ前政権が閉鎖を命じて以降、中国の情報収集に変化があり、中国科学技術省国際協力局が「米国から追加登録したプロジェクトはわずか1件」だった。
トランプ前政権は当時、ヒューストン総領事館は中国のスパイ活動の拠点であり、米企業が新型コロナウイルスワクチンの開発に取り組む中で、スパイ活動を強化したと主張していた。この主張に対し、大統領選を控え、対中強硬姿勢を強調するためのパフォーマンスとの批判があったが、報告は、前政権の主張の正しさを裏付けるものだ。
ポンペオ国務長官(当時)も、ヒューストンの総領事館は「知的財産窃取のスパイ活動の拠点」と指摘していた。
(ワシントン・タイムズ特約)