SNS排除は言論封殺


ギングリッチ元米下院議長
保守系の新メディア創設を

ギングリッチ氏(UPI)

ギングリッチ氏(UPI)

 ニュート・ギングリッチ元米下院議長は、ツイッターなど巨大IT企業がトランプ大統領や保守系メディアを締め出していることを受け、保守系紙ワシントン・タイムズへの寄稿で、「新興財閥が陰謀」を企てていると非難、競争を通じた保守系インターネット交流サイト(SNS)を立ち上げることで、左派に対抗すべきだと訴えた。

 ツイッター、フェイスブックは今月上旬、ワシントンの連邦議会議事堂が襲撃されたことを受けて、トランプ氏の永久追放を決定。グーグル、アマゾン、アップルも保守系SNSを排除した。これに対しギングリッチ氏は、「全米国民の対話をコントロールしようとしており、重大な結果を招く」と警告した。

 その上でトルーマン大統領(任期1945~53年)の「政府が反対意見の封じ込めに熱心になれば、…行き着く先は国民へのテロであり、誰もが恐怖の中で生きる国になる」という言葉を引きながら、言論封殺の危険性を訴えた。

 下院で3日、父親、母親など性を表現する10以上の言葉を「不適切」として排除する提案に、217人の民主党議員が賛成票を投じたことについては、「適切な」思想、言葉の使用を押し付ける抑圧の一例であり、「トルーマンの懸念が現実になろうとしている」と訴えた。

 その上でギングリッチ氏は、「競争」を通じて、左派に対抗するための新たなメディアを創設する必要性を強調した。同氏によると過去にも同様のことが起きている。

 「80年代、ニュースは、ニューヨークの比較的リベラルな三つのネットワークが支配していた」が、保守系ラジオトークショーが台頭し「現在は、従来のリベラルメディアに取って代わっている」と指摘。90年代初頭には、CNNなどリベラルなメディアがケーブルテレビを支配したが、「96年にFOXニュースが発足。左派に嫌われ、恐れられ政治コンサルティング業を追われたロジャー・エールズ氏が、FOXを人気ニュースチャンネルへと押し上げた」と強調した。

 ギングリッチ氏は、「競争を通じて、左翼の集団思考装置を短時間で破壊し、決定的な打撃を与えられる」と主張、「米国民は新興財閥の支配を拒否し、自由の権利を守り抜くと確信している」と、言論、報道の自由を守るための戦いの必要性を訴えた。