激戦州カギ 投票始まる
「郵便」急増 大勢判明に遅れも
米大統領選の投票が3日(日本時間同日夜)、東部の州を皮切りに始まった。民主党のバイデン副大統領(77)が一貫して支持率でリードしてきたが、最終盤でトランプ大統領(74)が猛追している。郵便投票の急増のため、大勢判明まで少なくとも数日かかる可能性もある。
各州選挙人の過半数270人以上を得た候補が勝者となる。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の予測では、バイデン氏が216人、トランプ氏が125人を固めており、南部フロリダ州や東部ペンシルベニア州など支持が拮抗する激戦州の197人の行方が勝敗を決める。
投開票日を翌日に控えた2日、トランプ氏は四つの州で五つの集会を開催し、このうちペンシルベニアで「われわれは大きなサプライズを起こすだろう」と訴えた。バイデン氏は中西部オハイオとペンシルベニアの2州を訪れ、「明日、われわれは米国を分断した大統領を終わらせることができる」と呼び掛けた。
トランプ氏が再選を果たすために獲得が必須とされる大票田カルフォルニア州では、バイデン氏が世論調査の平均値で0・9ポイントリードと接戦。カギを握るとみられるペンシルベニアではバイデン氏が2・6ポイントリードするが、同州ピッツバーグの有力地元紙が48年ぶりに共和党候補であるトランプ氏への支持を表明するなど後押しも受けている同氏の巻き返しがあるか注目される。
郵便投票が急増したことなどにより、集計に時間がかかるため、通常は3日深夜には判明していた大勢の判明が、今回は遅れる見通しも高まっている。米フロリダ大学の「米選挙プロジェクト」の集計によると、期日前投票を済ませた有権者は、9965万人で、このうち6393万人が郵便投票をしている。
トランプ氏は不正が起きると主張する郵便投票をめぐり法廷闘争を起こす可能性を示唆しているほか、同氏が大勢判明前に一方的に「勝利宣言」をするとの見方もあり、集計をめぐり混乱する可能性もある。
(ワシントン 山崎洋介)