激戦州 トランプ氏猛追


バイデン氏 コロナ対応批判強める

11月3日の米大統領選に向け、共和党のトランプ大統領(74)と民主党のバイデン前副大統領(77)の選挙戦は最終盤を迎えている。これまでバイデン氏が一貫してリードを保っているものの、トランプ氏は激戦州で追い上げを見せている。

▼経済回復アピール

30日、米中西部ウィスコンシン州グリーンベイで、演説するトランプ大統領(AFP時事)

30日、米中西部ウィスコンシン州グリーンベイで、演説するトランプ大統領(AFP時事)

 米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、両候補の全米平均支持率は30日現在でトランプ氏の43・5%に対し、バイデン氏は51・4%でリードを保っている。

 ただ勝敗を左右する激戦州となる東部ペンシルベニア、南部フロリダ州など6州の平均支持率は、バイデン氏の48・9%に対し、トランプ氏は45・9%となっている。10月中旬に5ポイント差まで開いていたが、終盤で3ポイントまで差を縮めた。

 トランプ氏は、連日数千人規模の大規模集会を開催し、支持者の熱気を誇示。31日にはペンシルベニア州で4回の集会を開くなど、地上戦を大々的に展開し、最終盤で逆転した2016年大統領選の再現を目指す。

米大統領選

 

 トランプ氏は、フロリダ、南部ノースカロライナ、西部アリゾナの激戦州で、終盤での追い上げにより、世論調査でほぼ互角の展開に持ち込んでいる。再選の ためにはこれらの州を押さえた上で、ペンシルベニア、中西部ミシガン、同ウィスコンシン3州のいずれかを制する必要があるとみられる。

 トランプ氏は、7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が、年率換算で前期比33・1%増と過去最大の伸びを記録する中、経済の「V字回復」をアピール。30日には自動車産業が盛んなミシガン州で、「バイデン氏は州を封鎖して工場を一掃し、皆の仕事を可能な限り中国に移すつもりだ」と主張し、自身への投票を呼び掛けた。

 一方、バイデン氏は激戦州が多い中西部で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、政権の新型コロナ対応への批判を強めることで、逃げ切りを図る。30日には、ミネソタ州でトランプ氏が新型コロナとの戦いを「諦めた」と非難し、「われわれはウイルスに屈服しない」と強調した。

(ワシントン 山崎洋介)