ボリビア大統領選18日投票、左派候補が優勢


 南米ボリビアで18日、大統領選挙の第1回投票が実施される。当初は5月に実施される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期されていた。

ボリビア大統領選に立候補したカルロス・メサ元大統領(左)とルイス・アルセ元経済・財務相(AFP時事)

ボリビア大統領選に立候補したカルロス・メサ元大統領(左)とルイス・アルセ元経済・財務相(AFP時事)

 今回の選挙は、反米左派モラレス大統領が昨年10月の大統領選挙で行った不正選挙疑惑とその後の辞任に伴うやり直し選挙。大統領職は、野党出身のアニェス氏(当時国会議長)が暫定大統領として引き継いでいた。

 選挙には5人が立候補しているが、アルゼンチンに亡命中のモラレス氏の後継候補として左派社会主義運動(MAS)が推薦するアルセ元経済・財務相(57)と、中道・保守の政党連合「市民共同体」が推す中道のカルロス・メサ元大統領(67)による一騎打ち。最新の世論調査では、アルセ氏の支持率が約34%で、約27%のメサ氏をリードしている。

 第1回投票で当選するには、有効投票数の40%を獲得する必要があり、アルセ氏とメサ氏による決選投票入り(11月9日)となる可能性が高い。

 左派のアルセ氏に支持が集まっているのは、モラレス大統領が正式に支持を表明しているからだ。モラレス氏は、ボリビア初の先住民系大統領として2006年に初就任、貧困問題などに取り組み支持を拡大した。ただ、政権が長期化する中で、国民投票の結果を無視して4選目への出馬を行うなど、強権的な政治手法が目立つようになっていた。

(サンパウロ 綾村悟)