米大統領選 2候補同時にTV集会
米大統領選で対決するトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領が15日夜(日本時間16日午前)、それぞれテレビ中継で有権者との対話集会を開いた。(ワシントン・山崎洋介)
トランプ氏「経済復活」強調
バイデン氏 コロナ対応追及
大統領選まで3週間を切る中、両候補は、新型コロナウイルス対応や、経済対策について有権者に訴えた。
フロリダ州マイアミでのトランプ氏の集会はNBCテレビ、ペンシルベニア州フィラデルフィアでのバイデン氏の集会はABCテレビがそれぞれ中継。この日は当初、2回目のテレビ討論会が予定されていたが、トランプ氏の新型コロナ感染後、両陣営が実施方法をめぐり対立する中、急遽(きゅうきょ)中止となっていた。
トランプ氏は、新型コロナの感染拡大を受けて1月に中国からの入国規制を実施したことについて、「100%正しかった」と述べ、自身の対応が適切だったと主張。司会者からマスクに対する姿勢を問われ、トランプ氏はマスクを身に付けても感染すると指摘しつつも、「私はマスクを身に付けるべきだと言っている。それで問題ない。われわれは同じ考えだ」と訴えた。
バイデン氏はトランプ氏が初期段階で株価の下落を恐れ脅威を過小評価したと主張し、「彼は米国民がパニックになることを恐れたと言ったが、パニックになったのは彼だ」と指摘。さらに「対応を主導する責任が大統領にはあるが、彼はそうしなかった」とも非難した。
トランプ氏は、経済回復が順調に進んでいるとし、バイデン政権誕生による増税が実現しなければ、「来年は素晴らしいものになるだろう」と訴えた。一方、バイデン氏は自身の計画により1860万人の新たな雇用が生まれ、「トランプ氏の計画より700万人多くの雇用が増える」と主張した。
また集会では、NBCテレビの司会者がトランプ氏の発言の事実関係などについて厳しく指摘する姿勢が注目され、バイデン氏支持者の称賛を受ける一方、トランプ選対は司会者が「大統領を公然と憎んでいるようだ」と反発した。
今後、両候補の対決は、22日にテネシー州ナッシュビルで最後のテレビ討論会が予定されている。