保守派バレット氏指名へ、最高裁人事でトランプ氏


 複数の米メディアは25日、トランプ米大統領が、ギンンズバーグ連邦最高裁判事の死去に伴う後任として、保守派のエーミー・バレット連邦高裁判事(48)を指名する方針だと報じた。トランプ氏は26日午後、ホワイトハウスで最高裁人事について正式に発表する。

エーミー・バレット米連邦高裁判事=撮影日時、場所不明(AFP時事)

エーミー・バレット米連邦高裁判事=撮影日時、場所不明(AFP時事)

 シカゴにある連邦高裁判事のバレット氏は、カトリックの信仰を持ち、人工妊娠中絶や医療保険制度改革(オバマケア)に反対の立場で、「保守派のお気に入り」(米メディア)とされる。2018年にブレット・カバノー氏が最高裁判事に任命された際にも、バレット氏が最終候補の一人とみられていた。

 トランプ氏は21、22日にバレット氏とホワイトハウスで面会したと報じられている。トランプ氏は25日、ワシントン近郊で記者団に誰を指名するかすでに「決断した」と語ったものの、バレット氏だとは明言しなかった。

 バレット氏が就任すれば、女性としては5人目の最高裁判事となる。また、最高裁の9人の判事のうち6人が保守派となり、その優位を確実にすることになる。

 大統領選に向け、トランプ氏は保守層の支持を固めつつ、女性票の取り込みも図る狙いがあるとみられる。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、与党共和党は、10月中旬に上院司法委員会で指名承認公聴会を開き、大統領選前の同月下旬までに承認投票を行うことを検討している。一方、民主党側は11月の大統領選後に次期大統領がギンズバーグ氏の後任を指名すべきだとしており、今後、与野党で激しい対立が予想される。

(ワシントン 山崎洋介)