トランプ大統領 バーレーンも正常化合意
トランプ米大統領は11日、イスラエルとバーレーンが米国の仲介で国交正常化に合意したと発表した。イスラエルと国交を結ぶアラブ諸国はエジプト、ヨルダンと8月に国交正常化で合意したアラブ首長国連邦(UAE)に続き、4カ国目となる。高まるイランの脅威を背景に、イスラエルとアラブ諸国の関係改善が進む一方、パレスチナの孤立が深まっている。
トランプ氏は11日、イスラエルのネタニヤフ首相、バーレーンのハマド国王と3者で電話で会談し、合意を交わしたと明らかにした。トランプ氏はホワイトハウスで記者団に、「本当に歴史的な日だ」と自賛した上で、「私が就任した時、中東は全くの混沌(こんとん)状態だった」と述べ、自身の取り組みによって中東地域の安定化が進んでいるとの見方を示した。
米・イスラエル・バーレーン3カ国は共同声明で、両国が「完全な外交関係を樹立」することで合意したと発表。トランプ氏によると、両国は互いに大使館を設置するほか、直行便の運航を開始し、テクノロジー、安全保障、教育など幅広い分野にわたる協力を図るという。
15日にホワイトハウスで行われるイスラエルとUAEの正常化合意の署名式に合わせ、イスラエルとバーレーンも「平和宣言」に署名する。11月の米大統領選に向け、1948年のイスラエル建国以来敵対する同国とアラブ諸国の和平合意の仲介は、トランプ氏にとって大きな外交上の成果となる。
一方、アラブ諸国にパレスチナ国家が樹立するまでイスラエルとの正常化を控えるよう求めてきたパレスチナ側は「パレスチナの大義や権利に対する裏切りだ」と批判。駐バーレーン大使を召還した。
トランプ氏は「さらに追随する国が出ることを期待する」と表明した。イランによる脅威に対抗するため、アラブ諸国とイスラエルとの関係改善が進む中、湾岸諸国の盟主であるサウジアラビアの動向にも注目が高まっている。ただ、同国はイスラエルとの正常化はパレスチナとの和平合意が実現してからとの立場を維持している。